副業考

本業で問題ない人は, 少なくとも短期的には副業とか考えずに, 本業一本で行った方が良いと思う.

仕事をするためには, それに適したスキルを有するだけではなく, 例えば別の組織に属するならその組織の ルールを知るとか, 副業の業界の暗黙のルールを学ぶなどのオーバーヘッドが生じる. また本業において 高いスキルを有していても, 副業においてはそれほどのスキルでないならば, 給料も下がる. であれば, 副業ではなく, 本業一本で行った方が生産性が高い. 少なくとも短期的には.

副業のメリットの 1 つとして考えられるのは, 本業・副業それぞれで異なる経験や視点を得ることで, 本業一本では 得られない気付き・アイデアなどを得ることだと思う. ただ, この効果を実感するためには, 時間が必要である. 短期的に 生産性が下がっても, 長期的にはメリットが得られると考えられるなら, 副業に価値が出てくる.

大きな企業であれば社内で従業員をローテーションして様々な経験を積ませることや, 同じ社内でも他の人の仕事を 手伝うということは, 「短期的に生産性が下がっても, 長期的にはメリットが得られる」構造である.

この「短期的には生産性が下がる」は, 場合によっては個人が「自分の生産性が下がる」と認識し, 回避しようと考える 可能性がある. この思考は当たり前なのだが, そこを何とかしないと長期的なメリットを得られないで, その点が難しい.