「シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||」鑑賞記

はじめに

2021/03/13 (土) 朝に, 映画館で「シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||」を見た. 感想は, 見たときの勢いで書かないと熱量が伝わらないと思うが, 一方で ネタばれ の 恐れもあり, 感想の公開はためらわれる. そこで, 本日 3/14 に感想を書くが, 公開する のは映画の内容が一般的に広まった時期にしたいと思う.

なお, 映画を 1 回見ただけで感想を記しているので, 映画の理解・解釈が誤って いる部分があるかもしれない. でも, それも含めて 3/14 時点の記録として 読んでいただきたい.

一番良かったシーン

一番良かったシーンは, 南極でシンジがエヴァに乗る前に, ミサトがシンジをかばうシーン だ. ニア・サードインパクトが生じたのはシンジが原因と考え, 発砲してでもエヴァへの 搭乗を制止しようとするヴィレの隊員に対し, ミサトは, シンジの行動があったからこそ ニア・サードインパクトがあの程度で止まったと説明し, 隊員を黙らせた.

シンジの負い目を払拭させた, 良いシーンだと思った.

そっくりさん

プラグスーツを着たアヤナミそっくりさん が, シンジの前でいきなり消えた のは, 非常にショックだった. 例えではなく, 腰が浮き, 声が出そうになった.

それまでにアスカがアヤナミの体調に言及しており, それが「近いうちにアヤナミに 何かが起きる」という警告だったのだろうが, それにしてもショックだった.

と同時に, この先の世界観を凝縮したサインだと私は思い, 「これがエヴァの世界か」と 少し覚悟を決めた.

ミサトさん

ニア・サードインパクトの時点で, ミサトは妊娠していたことが明かされる. 「破」の 「行きなさい, シンジ君」というセリフも, その辺を勘案するといろんな解釈・考えが できそうだが, それは, 次に「破」を見たときに考えることにする.

何度もアップになったスイカジュースのレーションが, 加持への強い想いを表していた.

アスカ

アスカもアヤナミと同様に造られたヒトであったことが明かされ, これが TV 版との大きな 違いである. だから「惣流」ではなく「式波」と名前を変えたのか, と思った.

「破」で使徒に浸食されたので, カプセルみたいなものを左目に入れることで, 使徒化を 止めていたのだろうか?

アヤナミがシンジに惹かれるのを「プログラムされている」と言う一方, 「破」の 料理シーンなどからアスカもシンジに心を開きつつあった. だから, 第 3 村でシンジの ことをいつも見ていた (監視するのが任務だったという見方もあるが, それを越えた 想いはあったと思う) し, 「破」の起動実験で使徒化したときにシンジの手で決着を付けて 欲しかったのだろう. アスカが身を挺してエヴァを壊しにいったのは, 「破」のアヤナミと 同様に, シンジをエヴァに乗せたくなかったためというのは言い過ぎか?

アスカが一番, 切ないキャラだったと思う.

マヤ

スマホを頬と肩で挟む姿は, ネルフで受話器を挟むシーンを連想させ, 懐かしかった.

ラストシーン

最後で, 動画の色が無くなり, 動きも無くなる場面があった. TV 版の最後も同様だったが, この新劇場版シリーズも TV 版から繋がっていることを示しているような場面と感じた. あるいは, 新型コロナウイルスで世の中が混乱したことを, イレギュラーな動画で 示そうとしたのかもしれない.

主題は何だったのだろうか?

最後に, ゲンドウ, アスカ, アヤナミだけでなく, カヲルまでもが取り上げられる. TV 版の「人類補完計画」を丁寧に引き継ぎ, ひとつになることを否定しているラスト なので, 孤独であっても個の違いを肯定するという主題だったのではなかろうか?

マリは誰なのか?

マリが誰なのか, 明示的に示されなかった. 「破」の冒頭の「子供の都合 (事情?)」発言, 「シン」では冬月と繋がっていることが示され, ネルフエヴァを食べてパワーアップして アスカを助ける. ラストでは, マリが若いころのゲンドウやユイと一緒に写った写真があり, アスカが大事にしていた人形が着ぐるみになり, その中にマリがいた.

そのあたりを勘案すると, マリは, アスカを救う保護者的な人だったのだろうと思う. 冬月がマリに対して「久しぶりに聞いた名前」を口から発したが, それが私には聞き取れ なかった. それが聞き取れていれば, もう少し分かるのかもしれない.

最後に

「シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||」は,「序」「破」「Q」に続く作品であるばかり でなく, 加持が反ネルフ活動をしていたり, 巨大化したアダムがアヤナミの姿に なるなど TV 版との繋がりも持つ良い作品だった.

理解できてない部分も少なくないが, 理解できた部分だけでも面白かったし, 長年の 区切りを付けることができた.